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モルディブの食事情

モルディブ人ってなにが主食なの?


ずばり『カレー』です!
近隣諸国であるスリランカやインド(主に南部)からの影響が色濃く、モルディブではとろみのないタイプ、所謂「さらさらカレー」が主流となっています。もっともポピュラーなカレーは「マスリハ」と呼ばれる、カツオやマグロがゴロッと入ったもの。海に囲まれたモルディブならではのカレーで、スパイスとショウガが効いていて生臭さもなく、日本人にとってはどこか懐かしさを感じて食べやすい味付けと言えるかもしれません。

マスリハに限らずモルディビアンカレーは、主に「ロシ」と呼ばれる(チャパティに似た)クレープのような薄い生地、もしくはお米と合わせる食べ方が一般的で、距離が近いとはいえスリランカでよく食べられているストリングホッパー(米粉をヌードル状にして蒸したもの)などは見られません。小国ながら島国らしく、独自の食文化を持っていると言えますね!

とはいえ、観光立国であるモルディブにおいては様々な国から人の流入があり、昨今はますますインターナショナル化が進んでいます。欧米文化のバーガーやサンドイッチ、ピザ・パスタなども人気ですが、なかでも人気はタイ料理!カレーのようなスパイスの効いた刺激的な料理を好むモルディブ人からすると、タイ料理の辛さや酸味は口に合うようで広く浸透しており、街中にはタイ料理屋も多く見られます。モルディブとタイは気候も似ており、暑いなかで辛いものを食べて汗をかく(体温を下げる)という意味でも理にかなっているのかもしれませんね。

刺激的な料理好きと思いきや、モルディブ人は甘いものも大好き!とにかく砂糖の摂取量が多い!コーヒーや紅茶には大量のお砂糖を入れて飲みますし、歯が浮くような甘さのお菓子なども大好物です。パン屋さえ、店内の半分はケーキやマフィンなどの甘いものコーナーになっているほど!街中にはチョコレート菓子専門店や、フレーバーが豊富なアイスクリームショップ、スイーツメニューが充実したカフェなどが複数軒あり、人気店は夜遅くまで常に人の出入りが絶えません。(むしろ夜のほうが人出が多い!)

リゾート島では週1回程度の頻度でモルディブ料理をお出しするイベントを行なっているケースもあり、モルディビアンカレーも甘〜いデザートも食べるチャンスがあるかもしれません。その際にはぜひチャレンジしてみてくださいね!

モルディブの台所事情

モルディブは珊瑚礁から出来た島で、世界的に見ても非常に特殊な土壌の国です。どこまで掘っても白砂(珊瑚のかけら)で土が出てこないモルディブの土地では、なかなか第一次産業が発展せず、現在も多くの食材が近隣諸国であるスリランカやインドなどから運ばれてきています。野菜やフルーツ・スパイス・卵・乳製品など、多くの生鮮食品が輸入品です。また、畜産にも適さないため、肉類も全て輸入によって支えられており、マレーシアやドバイなど近隣のイスラム諸国からハラル処理(イスラム教のルールで食肉に対して祈りが捧げられる)がされたものが届いています。

その他お菓子やレトルト食品・調味料などの加工食品についても、国内に工場を持つ土地がないことから、これまた輸入がほとんど。このように食材のほとんどが輸入品となるモルディブでは、自炊しても外食してもいずれも食費は高くなってしまいます。(リゾートの食事代金がお高めなのも、納得せざるをえませんね。)

そんなモルディブですが、唯一自給率の高い食材が魚!海に囲まれた土壌を活かして漁業は盛んです。(カツオやマグロを総称して)ツナをはじめ、ハワイで言うマヒマヒでお馴染みのシイラや、アジ・太刀魚などが釣れることが多く、釣れたその日のうちにフィッシュマーケットへ並びます。カレーにしたり唐揚げにしたりして食べられることが多く、貴重なモルディブ産の食材として各家庭で楽しまれています。

ちなみに「買い物は男の仕事」とされることが多いモルディブでは、フィッシュマーケットやベジタブルマーケットで買い物をする人はほとんどが男性です。最近はスーパーマーケットやキオスクなどの商店で女性を見る機会はかなり増えましたが、こういった日常の光景にも文化の違いが感じられますね。

モルディブのローカルフード

«マスフニ»


モルディブ人の大好物、朝食の大定番!リゾートの朝食ブッフェでも見る機会が多く、おそらくモルディブに観光で訪れる方の半数以上が一番召し上がるのでは?絶対に食べていただきたいモルディブらしい1品です。(弊社のスタッフは全員これが大好きです!)

この「マスフニ」、見た目はふりかけのようなフレーク状をしており、主にココナッツファインとツナ、紫玉ねぎで作られています。ライムを絞って、小麦粉を薄くクレープのように伸ばして焼いた「ロシ」をちぎりながら包んで食べるのですが、朝にぴったりな爽やかな味!優しい色合いなので油断しがちですが、フルーティーな風味と鋭い辛さが特徴の「モルディビアンチリ」が入っており、少々ピリッとしますので辛さが苦手な方はご注意を。と言いつつも、ツナのコクとココナッツのまろやかさとのバランスのおかげでそこまで辛みは強くありませんので、ぜひトライしてみてくださいね!

レシピはこちら

«マスリハ»

リゾートでは「モルディビアンフィッシュカレー」と呼ばれることが多いかもしれません。モルディブ料理といえば「マスリハ」=魚カレーは外せません。これも朝食ブッフェに出ることが多く、出会う機会は多いのでは。ショウガの風味が効いたさらさらとしたカレーで、すっきりした味付けなので朝にもぴったり。

日本のカレーと違い、熱くありませんので、お皿にロシをひとくちサイズにちぎって上からカレーをかけたら右手でよーく混ぜて、そのままお口へ。モルディブのお作法に従って召し上がっていただくことをお勧めします!

«ガルディア»

モルディブ人にとっての味噌汁!と言われることのある「ガルディア」は、かなりシンプルな料理で少々地味なため(?)リゾートで見かけることは稀かもしれません。モルディブ人にとってはソウルフードなのに、観光客にはあまり知られていないちょっと不思議な存在。というのも、ガルディアが究極の家庭料理だからかもしれません。

ガルディアが味噌汁に例えられる所以は、食事での位置づけ(汁もの)ということだけでなく、家庭それぞれで味が異なるからではないかと思います。ガルディアの基本はカツオを塩煮したスープですが、作る人によってニンニクが入っていたりショウガが効いていたり、細かい味付けは家庭によって異なります。モルディブ人に聞くと、それぞれお気に入りの食堂があったり、お母さんのガルディアが一番美味しいと言ったり、ガルディアの味の表現も人によって多少異なるのです。具合が悪いときにはガルディアでお米をお茶漬けのようにして食べるケースもあり、モルディブ人にとってのホッとする味がこのガルディア。もしリゾートで見かけたらぜひ召し上がってみてください!

«ヘディカ»

モルディブ人は「サボーン」と言われるティーブレイクが大好き!仕事がひと段落するとまず、誰か誘ってサボーンに行きます。最近はコーヒーやケーキなども浸透していますが、もともとモルディブはスリランカから紅茶の文化が入ってきており、紅茶好きも多いため、種類豊富なスナック「ヘディカ」をお茶請けにして甘い「キルサ(ミルクティー)」を楽しむのが古くからの嗜み。

ヘディカは大人たちの休憩を支える軽食であり、子どもたちのおやつでもあります。しょっぱいものから甘いものまで、味や形も豊富なスナックで、大人も子どもも大好き!マスフニを中身にしてロシの生地でおやきのように包んだ「マスロシ」や、カレー味のツナを三角に揚げ餃子のようにした「バジヤ」、ココナッツ風味の甘いパンプディングのような「クリボーキバー」など、代表的なものはリゾートでも出ることがありますので、出会えるかも?

モルディブの宗教と食文化

タブーな食材

ご存知のとおり、モルディブはイスラム教を国教とする国です。そのため、お酒を飲んだり、豚肉を食べたりすることはできません。(リゾート島は例外で、お酒と豚肉の提供が可能です。)イスラム教徒でない観光客であっても、モルディブに入国する以上、お酒と豚肉製品の持ち込みは固く禁じられていますのでご注意ください。余談ですが、リゾート島を除くモルディブのローカル島に中華料理が根付かない理由は、紹興酒やラード・豚肉を使用できないモルディブの地では美味しい中華料理が作れず、中国の料理人もお手上げだったとか!?

断食月間〜ラマダン〜


モルディブはイスラム教を国教とするため、年に1回、イスラム暦の9月の1ヶ月間を断食月間として過ごします。この期間は日の出から日没まで飲食と喫煙を絶って過ごすためレストランやカフェなども夜だけの営業となりますが、リゾートはこの限りではなく、もちろん通常営業していますのでご安心を!

日中は唾液すら飲み込まないと言われるほどストイックな断食月間ですが、断食するのは1日のなかで日が昇っている時間帯だけなので、日没のお祈りを終えると飲食が解禁に!最近では近代化が進んでエナジードリンクなどもありますが、古くから断食明けはスイカジュースで水分を、デーツ(ナツメヤシ)で糖分とミネラルを補給する慣しがありました。そのため、今でもラマダンの時期を迎えるとスーパーには大きなデーツコーナーができ、スイカの流通量も増えるので、モルディブの9月の風物詩と言えます。ちなみにリゾートでは通年スイカジュースを置いているところも多く、滞在中に楽しめる可能性がありますので、ぜひシュノーケリングなどのマリンスポーツ後の水分補給に試してみてくださいね!

また、ラマダン中のお楽しみと言えば「イフタール」が欠かせません。イフタールとは断食明けの食事のことで、この期間中でいうところの朝食(ラマダンブレックファースト)に当たります。断食中のモルディブ人はこれを楽しみにしている人がとっても多い!街中のレストランやカフェで特別なイフタールメニュー(豪華なブッフェやコース料理など!)が用意され、週末ともなれば人気店は満席で入れなくなってしまうため、ラマダン開始と同時にモルディブ人たちはそれぞれの好みのお店の予約を始めます。そのため、期間中の夜の街は特に活気があり、とっても賑やか!また、自宅でもパーティーメニューを用意し、親戚や近所の人を集めるケースもあります。家族みんなで、友人や同僚などのグループで、つまりいつもお世話になっている人たちと普段よりちょっと豪勢な食事を囲んで時間を過ごすことで、コミュニケーションを深めるというのもラマダン期間中ならでは。もちろん断食は辛いと言いますが、それだけでは終わらない大切な宗教行事のひとつです。(ただし、ラマダン期間中はこのイフタールを楽しみすぎて、体重が急増する人が意外と多いとか!?)

マーレのカフェ・レストラン事情

ホッタ(ホタ)

モルディブのローカルに根付く文化として、大衆食堂「ホッタ(ホタ)」があります。街の至る所にかなりの数のホッタが点在していますが、それらどれもが大きな看板もなく、見逃してしまいそうなほど狭く小さいお店ばかり。それでもモルディブ人は、それぞれにお気に入りのホッタを持っています。ホッタは、その場で済ませる食堂のような側面と、持ち帰りできる惣菜屋のような側面を持っており、まさに万能で身近な台所!朝はマスフニやマスリハ、軽食にヘディカ、昼夜はカレーの他フライドライスやスープヌードルなど、時間帯に応じてメニューも変わり、3食がホッタの人もいるほど。何より安い!職場近くや自宅付近で行きつけのホッタがあるというのも納得です。

ただし、ホッタの文化は男性のみ。イスラム教であるモルディブでは、古くは女性が外で食事することはタブーであったため、今でこそ女性もレストランやカフェに出入りすることが多くなりましたが、ホッタだけは未だに女性が訪れることはありません。そのほか、昔ながらのお店が多いため、現地のディベヒ語しか通じなかったり、現地通貨のみだったり、衛生面がちょっと気になったりと、残念ながら観光には不向きですが、町歩き中にもし近くを通ることがあれば外からチラッと覗いて雰囲気を味わってみてくださいね!

カフェ

今モルディブの若者に注目されているのが、コーヒー!長く紅茶文化が続いていたモルディブですが、昨今のインターナショナル化で本格的なコーヒーを出すお店が増えて大人気になっています。なかには店内にロースターを置いて、その場で焙煎した豆をバリスタが淹れてくれるカフェも!

また、カフェといえばスイーツ。もともと甘いものが大好きなモルディブ人たちは、このカフェスイーツにも夢中!宗教上アルコールを飲まないモルディブ人にとっては、夜のカフェ文化はコミュニケーションの場として非常に重要視されており、どのお店も夜遅くまで賑わっています。(モルディブ人は夜でもカフェインを気にせず、コーヒー!) 淹れたてコーヒーと、大きなアメリカンクッキーやクリームたっぷりのケーキ・パイなどをSNS用に撮影したり、オシャレな店内でセルフィーを撮ったり、おしゃべりが止まらなかったり。遅くまで盛り上がる若者たちを見ると、文化や宗教に関係なく微笑ましくなりますね。

もしマーレ島に立ち寄る機会があれば、ひと休みの際に若者で賑わっているカフェに挑戦してみてください!深煎りでどっしりしたコーヒーと甘〜いスイーツの組み合わせは海外っぽさ満点で、リゾートとはまた違った雰囲気が楽しめるはず!

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